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チリ・コキンボでの生物採集
 └─葛西  2014/12/06

 私は2014年11月28日から南米チリ北部のコキンボ州に出張し、生物採集をおこなっています。北半球にある日本は冬に向かっていますが、ここチリの現在の季節は初夏で、徐々に暖かくなってきています。しかし、南極からの冷たい海流が沿岸を流れているため陸地が冷やされ、砂漠のように乾燥し、朝夕は寒く、日中は陽射しが強くて暖かい気候です。



 冷たいチリの海はとても豊かで、日本人と同様、チリの人々は海産物をよく食べます。養殖事業もさかんで、私たちが採集をおこなっているコキンボには、ノルテ・カトリカ大学海洋学部があり、採集は大学スタッフの協力を得て実施しています。

 冷たい海に潜って生物を採集するのですが、私たちを驚かせたのは、日本の海で見る生物がチリの海ではとても大型になる例が多いことです。たとえば、日本の近海で、潮溜まりの石の下など浅い海にすんでいるカニダマシのなかまは甲羅が2センチほどですが、チリの海には約8センチという大型の種が生息しており、海中の岩の上で隠れることもせず大きな群れを作っています。



 今回、現地の多くの方々の協力でさまざまな生物を採集することができました。これから日本への輸送に取りかかります。コキンボでの生物採集の後、私たちはチリ南部の町、プエルトモンへ移動して引き続き採集をおこなう予定です。プエルトモンには、日本でまだ展示したことのない生物も生息しています。ご期待ください。

〔葛西臨海水族園調査係 中村浩司〕

(2014年12月06日)


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