10月25日午前1時47分、アジアゾウのメナム(オス)が死亡しました。38歳でした。
メナムは1964年、当時の皇太子同妃両殿下(現天皇皇后両陛下)がタイを訪問したのをきっかけに、タイの日本人留学生会から贈られました。
メナムが日本にやってきたのは1965年4月16日。上野動物園としては、メナムは飛行機でやってきた初めてのゾウでした。今は空輸がふつうですが、むかしは船で運ばれ、数週間の船旅でやせて日本に着くことが多かったようです。
1967年6月の測定では、3歳7か月のメナムの体重は 1,010キログラム。1985年12月、22歳のメナムの体重はついに5トンをこえ、 5,010キログラムに達しました。来園時にくらべると12倍以上です。
1990年以降、アーシャーやダヤーとお見合いもしましたが、繁殖にはいたりませんでした。1995年の1月には、ダヤーと柵ごしに押し合いをして、柵にぶつけて左の牙を折ってしまったこともありました。
2002年、39歳のメナムの体重は約6,000キログラム、体高は約320センチ。アジアゾウとしても大きな個体となりました。寝室と運動場の行き来の際、足を曲げ、背を低くして通るようになったので、今年の1月に出入口の高さを80センチ高くしました。
●死亡確認までの経緯
2001年10月1日 歩行に異常を確認
2002年9月30日 右の後肢のひざが腫れる
10月7日 左の後肢のひざも腫れ始める
10月9日 寄りかかるための丸太を用意し、
足にかかる負担を軽減
10月20日 左後肢のひざの腫れはひく。
右後肢のひざの症状は不変
10月24日 午前6時40分倒れる
10月25日 午前1時47分、死亡を確認
10月11日、タイからアジアゾウが2頭(「アティ」(オス、5歳)と「ウタイ」(メス、4歳)贈られたばかりでした。現在、上野動物園のアジアゾウは、インドから贈られた「ダヤー」(25歳、メス)と「スーリヤ」(メス、8歳)を合わせて、オス1頭、メス3頭の計4頭となりました。
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