葛西臨海水族園世界の海エリアの「ブラジル沿岸」水槽に、フライングガーナードを展示しました。この魚は以前も展示した種で、ちょうど1年ぶりの登場です。名前にフライングと付いていますが、空を飛ぶというわけではありません。フライングガーナードの特徴である大きな胸びれを少し広げながら泳ぐ姿が、まるで飛ぶように見えることから名付けられたようです。
ちなみにこの胸びれは、敵に襲われたときにバッと広げて自分を大きく見せ、驚かせるためにあるものといわれています。しかし、飼育していると餌を食べるときにも広げているようすを観察することができます。興奮したときにも広げてしまうようです。
現在、水槽にはフライングガーナードを含め4種の魚が展示されています。ハリセンボンのなかまのストライプトバーフィッシュは無関心でマイペースに泳いでいますが、イサキのなかまのポークフィッシュとアジのなかまのルックダウンはとても意識しているようすで、フライングガーナードが近づくと慌ただしく逃げるように水槽の端に寄ってしまいます。
赤みの強い体に大きな青い胸びれはとても綺麗なのでたくさんの方に見ていただきたいのですが、たまにフライングガーナードが胸びれを広げるとほかの魚が驚いてしまうので、「ヤメテ!」と言いたくなる気持ちもあり、飼育係としてはこの胸びれに複雑な思いを抱いてしまいます。
〔葛西臨海水族園飼育展示係 細谷有莉沙〕
(2014年03月21日)
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