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ライオンたちの群れ生活
 └─多摩  2014/03/14

 多摩動物公園ではライオンを群れ(プライド)で飼育し、展示しています。

 ライオンたちの一日は、朝運動場に出てまず辺りの臭いを嗅ぎ、自分の臭いを新しくつけて回ることから始まります。その後、各所に付けられた牛骨をかじったり、気になるものを見つけて遊んだり、ライオンバスにつけてある肉を食べたり、のんびり寝たりと、思い思いに過ごしています。

 その中で、群れならではの動きも見られます。たとえば、額や顎をこすり付けあう動きです。これはお互いに仲間であることを確認し、親しい関係にあることを示し合う挨拶行動です。運動場に出てすぐや、すれ違いざま、隣に座るときなど、しばらく離れていた個体が近づいたときなどによく見られます。

 また、遊びも複数のほうが楽しいのか、幼いメスなどはお互いに視線で誘い合って駆けっこをはじめたかと思うと、ジャンピングハイタッチしてそのままプロレスのように転がり、落ち葉で作った山に突っ込んで遊んだりすることもあります。

 そのほか、子どものいない健康で成熟したメスは、季節を問わず周期的に発情が来ますが、発情すると特定のオスがほかのオスに取られないようつきまとってくるようになり、交尾にいたります。

 ライオンの鼻の奥には人間にはない臭いに敏感な器官があり、オスは、メスのお尻や尿の臭いを嗅いで情報を確認しますが、このとき「フレーメン」と呼ばれる鼻をぎゅっとすぼめたような顔をします。

 一方、発情したメスは尻尾をピンピンと跳ね上げてオスの前で挨拶し、背中を地面につけて転がる「ローリング」をします。このような状態は3〜4日間くらい続き、多いときは5〜10分に1回くらいのペースで一日中交尾します。オスとメスとの間にはとくに執着が強い相性のようなものがあるようで、このメスは必ずこのオスが交尾相手にするだろうなといったことも予想できます。

 ライオン園でみなさんもさまざまなライオンの行動を観察してみてください。

写真上:みんなで昼寝
写真下:オスの「フレーメン」

〔多摩動物公園北園飼育展示係 松井由希子〕

(2014年03月14日)



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