ニュース
うねうね動く掃除屋さん「オオイカリナマコ」
 └─葛西  2013/07/26

 葛西臨海水族園東京の海エリアにある小笠原「礁」水槽には、3種類のナマコがいます。全身砂だらけのクロナマコ、黒と赤のツートーンカラーが特徴的なアカミシキリ、そして今回ご紹介するオオイカリナマコです。

 オオイカリナマコの体は細長く、なんと3メートル以上になることがあります。ロープのように長い体はふにゃふにゃと柔らかく、伸縮自在です。水槽内の岩の隙間を通り抜けるときや砂の上を移動するときは、うねうねと伸縮を繰り返し、魚に体をつつかれたときなどにはきゅっと縮まります。ほかのナマコより格段に体が長く黒と白のまだら模様があることから、ウミヘビに見間違えられることもあります。

 皮膚の中には名前の由来になっている「錨」(いかり)の形をした骨片がたくさんあり、触ると手にべたべたとくっついてしまうのが困るところです。

 オオイカリナマコを観察すると、体の先端にふさふさした腕のような触手があり、砂をつかんで食べているようすを見ることがあります。砂についた汚れなどの有機物を食べるので、肛門からフンとして出てきた砂は食べる前よりきれいになっています。

 オオイカリナマコに限らず、ほかのナマコも触手を使って砂を食べるので、おかげで水槽の砂はいつもきれいです。オオイカリナマコの長い体やナマコたちの食事のようすに注目してみてください。

・東京ズーネットBBの動画から「うねうねうねうね、オオイカリナマコ」(2007年3月撮影)

写真上:細長い体のオオイカリナマコ
写真下:体の先端にある触手

〔葛西臨海水族園飼育展示係 村松茉由子〕

(2013年07月26日)



ページトップへ