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筒状の口、チューブスナウト
 └─葛西  2013/03/15

 葛西臨海水族園「カナダ沿岸」水槽に、最近チューブスナウト(tube snout)という魚がお目見えしました。直訳すると「筒状の口先」という意味で、実際細長い口をしている魚です。

 似たような細長い口をもつタツノオトシゴのなかまは餌を吸いこむようにして食べますが、チューブスナウトはパクっと口を開けて食べることができます。野生では、小さなエビやカニのなかまなどを食べているようです。

 水槽内には、すでに多数の生物を展示していたので、今回のチューブスナウトを加えるにあたり気がかりだったのは、ほかの生物と一緒で十分に餌が食べられるかということでした。

 当初は、泳ぎが速く餌をとるのが上手なシャイナーサーフパーチというウミタナゴのなかまに気おされ、端のほうで餌をとれずにいました。そこで、水槽の底に届くよう加工したスポイトを使い、細かい餌を水槽の中層に撒くようにくふうしたところ、少しずつ食べることができるようになりました。しばらくはこの方法で給餌しましたが、今では水槽の環境に慣れ、シャイナーサーフパーチに交じって食べるようになりました。

 チューブスナウトは好奇心旺盛なようで、アクリルガラスの前で見ているとこちらのようすをうかがいに寄って来ます。4尾のみの展示ですが、なかなか存在感のある魚です。

写真:チューブスナウト(右)とシャイナーサーフパーチ

〔葛西臨海水族園飼育展示係 細谷有莉沙〕

(2013年03月15日)



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