夏がまだまだ続くような暑さですが、井の頭自然文化園の「いきもの広場」ではこんな変化がありました。
広場内に設置しているバナナトラップには、ほんの2週間前までカブトムシが合計何十匹もくっついていたのですが、2012年8月22日を最後に1匹も見られなくなったのです。かわりに、落ち葉を積んだ山には、今年生まれの幼虫がたくさん見つかります。
広場ではこんなふうに、見られる生き物が次々と変化します。何回も遊びに来ていただけると、そんな変化も感じることができると思います。
さて今回は、少し前に実施した「夕暮れ身近ないきもの探検」で、どんな生き物が見られたかを紹介しましょう。
「身近ないきもの探検」は、子どもたちと一緒に園内で野生の生き物を探して捕まえるというプログラムです。子どもたちの虫を見つける目はたいしたもので、毎回100種以上の生き物を見つけるのですが、今回は夏休みのスペシャルということで、夜のライトトラップ採集をメニューに入れてみました。ライトトラップとは、明かりで虫たちをおびき寄せる方法です。
まだ明るいうちから広場の周辺3か所に白い布(寒冷紗)をたらし、昆虫が好む紫外線を発するブラックライトを点灯しておきます。そして、夕方18時半ころ、薄暗くなりつつある広場にでかけました。園内は照明が少なく、吉祥寺の街に近いことが信じられないくらい真っ暗になります。暗いというだけで、子どもも私たちもテンションがあがります。さあどんな生き物が集まっていたでしょう?
ぼ〜っと明るく照らされた布には、遠目にも黒い虫がポツポツとくっついているのがわかりました。バッタのなかま、セミのなかま、あとはコガネムシ、コガネムシ、コガネムシ……。とにかくたくさんのコガネムシのなかまが! スジコガネ、クロコガネ、ビロウドコガネ、コフキコガネ、アオドウガネなど、なんと11種も集まっていました。昼間はほとんど見かけない種ばかりです。
そのほか、バナトラップに集まるカブトムシやガのなかま、セミの羽化など、昼間とは違う夜の生き物のさまを観察することができました。
次回の「身近ないきもの探検」は2012年9月23日、秋の生き物をみんなで観察しましょう。ただいま募集中です。
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「9/23『身近ないきもの探検』参加者募集」(2012年08月23日)
写真:ライトトラップに集まった虫を観察
〔井の頭自然文化園教育普及係 天野未知〕
(2012年08月31日)