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ニホンアナグマの子どもがデビュー
 └─井の頭 2012/08/03

 井の頭自然文化園の小獣舎で2012年3月28日に生まれたアナグマの子どもを公開しました。公開した子どもは、オス2頭メス1頭の計3頭です。

 この子どもたちの母親は野生で保護された「カステラ」です。2011年10月に保護されたカステラは、すでに当園で飼育していたオス「ダイフク」との繁殖を目指して、お見合いと同居をさせていました。そして、2012年3月28日夕方、寝部屋で出産を確認しました。

 アナグマは隔年出産する動物で、毎年3月ころから繁殖期に入ります。交尾後、受精卵はすぐには着床せずに子宮内を浮遊し、着床して出産に至るのは交尾の翌年といわれています。ということは、カステラはどうやら野生ですでに妊娠しており、今回出産した子どもは残念ながらダイフクの子どもではないようです。
 
 出産後カステラは、3頭の子どもたちを立派に育て上げました。6月には子どもたちの体もしっかりし、動きも活発になってきたため運動場にデビューさせることにしました。現在は15時〜16時30分の間、母のカステラに見守られながら運動場に出ています。

 運動場で3頭は、飛んだり跳ねたりの大騒ぎ。餌は部屋の中で与えますが、給餌の時間になると、扉の前に並んで待っている姿がとても愛らしく思えます。子どもの成長はとても速く、日々目に見えてわかります。ぜひこの機会にアナグマの子どもたちを見にいらっしゃってください。

・東京ズーネットBBの動画「ニホンアナグマ親子」

写真上:生後約2か月のアナグマの子ども(6月4日撮影)
写真下:母親(右)と3頭の子ども(7月18日撮影)

〔井の頭自然文化園飼育展示係 川上壮太郎〕

(2012年08月03日)



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