ニュース
ガラパゴスゾウガメが高原リゾートへ!?
 └─上野  2012/07/20

 上野動物園両生爬虫類館では、さまざまな両生類と爬虫類を飼育展示しています。なかでもガラパゴスゾウガメは、「世界最大のリクガメ」であること、「エクアドルのガラパゴス諸島でダーウィンが出会った動物であること」などの理由から有名な動物で、来園者のみなさんにも大変人気者のカメです。

 そんな人気者のガラパゴスゾウガメですが、毎年この時期になると上野動物園内の高原リゾート(?)へ避暑に出かけます。というのも両生爬虫類館は夏場の館内気温が軽く35℃を越え、直射日光の当たる場所では40℃を越えることも珍しくないからです。

 じつは、ガラパゴスゾウガメが住んでいるガラパゴス諸島は、赤道直下にあるため日差しは強烈ですが、寒流のペルー海流とクロムウェル海流の影響を受けやすく、寒い時期は平均気温が20℃以下になることもあるようで、年間を通した気温変化を見ると20℃から30℃くらい、年間平均気温は24℃(沖縄県と同等)くらいなのです。

 ガラパゴスゾウガメの平均寿命は野生でも100歳を超え、最長で152歳まで生きた記録もあるようですが、推定年齢75歳以上である上野動物園の最長老にとっては、この時期の館内の高温はとてもつらいようです。

 そこで、園内にガラパゴスゾウガメ専用の高原リゾートを作り、夏場の暑い時期をそこで過ごしてもらうことにしています。高原リゾートへの引っ越しは、7月23日(月)の休園日におこないます。場所は両生爬虫類館入口に向かって右側ですので、来園の際にはぜひお立ち寄りください。周辺はカツラの木々の葉で緑に覆われ、根元にはベンチも備え付けてあります。都会のコンクリートジャングルの中、上野の高原リゾートでガラパゴスゾウガメとともに、しばし「時間と喧騒」を忘れてみませんか?

写真:高原リゾート(?)

〔上野動物園両生は虫類館飼育展示係 野口利夫〕

(2012年07月20日)



ページトップへ