先週から蒸し蒸しとする日が増えてきました。井の頭自然文化園の「いきもの広場」で観察できる生き物の種類もぐっと増えてきています。
広場は毎週日曜日に時間限定でオープンしていますが、どんな生き物をお見せできるかは完全に自然まかせです。ということは、私たちスタッフは事前に何が見られるのかをチェックしなくてはいけません。オープン前には必ず広場をぐるりとまわり、ユズの木にいたアゲハの幼虫はどうなったか、いつも「かんさつボード」の下で寝ているアズマヒキガエルは今日もいるか、新しい生き物がやってきていないか、じっくり確認します。
6月17日も見まわっていたところ、思わず歓声をあげてしまいました。設置していたバナナトラップに、りっぱなカブトムシのメスがくっついていたからです。
園内で集めた2年分の落ち葉を積み上げている広場では、カブトムシの幼虫をそこら中で見ることができました。すべて野生の個体です。ほだ木の下にも落ち葉の下にも、乳白色の大きな幼虫がゴロゴロと埋まっていて、4月、5月に広場を訪れた子どもたちに大人気でした。
どうやらその幼虫の一部がさなぎを経て羽化しはじめたようです。残念ながら広場には小さなクヌギ、コナラはたくさんありますが、樹液ができるような木はありません。このままだと羽化したカブトムシを見せられないと考え、先週からバナナトラップ(バナナと焼酎と黒砂糖を混ぜて入れた袋)を、広場のあちこちに設置していたのです。
ジャノメチョウやハナムグリのなかまもくっついていましたが、やはりカブトムシの重量感が一番!予想通り、広場にやってきた子どもたちやお父さんに大人気でした。
カブトムシの季節はまさにこれから。広場にきてバナナトラップをさがしてみてください(自然まかせなので、見られるかどうか保証はできませんが)。
写真上:バナナトラップにきたカブトムシ
写真中:カブトムシの幼虫
写真下:ジャノメチョウのなかま
〔井の頭自然文化園教育普及係 天野未知〕
(2012年06月22日)
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