2011年3月11日、日本が大きく揺れたあの日から1年が経ちます。震源地から遠く離れた東京でも、今まで経験したことがないほどの揺れを感じました。
葛西臨海水族園では、水槽の内に造られたレイアウトが崩れたり、飼育水があふれ出たりしましたが、幸い来園者の方にも職員にも飼育生物にも被害はなく、設備にも大きな損傷はありませんでした。
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「地震発生時の状況と対応」(2011年04月18日)
その後、節電への協力や余震の影響などを考慮し、一時休園しましたが、その間も水族館としての機能は損なわれず、被災した「アクアマリンふくしま」の生物を受け入れることもできました。
下記リンクでご紹介する動画は、大水槽内のマグロのようすを撮影しているカメラが記録した震災当日の映像です。震度5強で揺れた水槽の水面は、大きく波立ち、飼育水は白く濁りました。驚いたマグロたちは集まって円を描くように泳いでいます。来園者の方々の避難誘導を終え、当面の危険がなくなった後、職員は、水槽からあふれ出した大量の海水の処理にあたりました。
【東日本大震災当日の大水槽 動画】
Windows Media形式 QuickTime形式
津波による大きな被害のことを考えると、地震発生直後の段階では波立つ水槽の映像が津波を連想させ、不安に思われる方もいらっしゃると考え、このモニター映像を公開することはひかえていました。
地震発生後、葛西臨海水族園の状況をご心配いただく声をいただきました。震災発生から1年が経ち、けっして忘れることのできないこの大震災を振り返ったとき、水族園の展示水槽の頑丈さをお伝えするとともに、日頃の備えや心構えの大切さをみずから考え、また、伝えるきっかけとして、今回の記事を書きました。
写真:地震で波立つマグロの大水槽
(2012年03月09日)