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タカアシガニが2匹に増えた!?
 └─葛西  2012/01/20

 ある日のこと、葛西臨海水族園の裏側スペースにある予備水槽をのぞいてみると、1匹しか入れていないはずのタカアシガニが2匹いました。1匹は底のほうにうずくまっていて、その上に少し大きい個体が立っています。

 もちろん、タカアシガニがアメーバーのように分裂して増えたわけでも、ほかの水槽から飛び込んできたわけでもありません。もう、おわかりかも知れませんが、じつはタカアシガニが水槽の中で脱皮をしたのです。

 このタカアシガニは2009年4月に水族園にやってきました。そのときは手のひらに乗るような可愛いサイズだったのですが、その年の6月に初めて脱皮し、2011年7月までに4回の脱皮が見られました。脱皮のたびに体は大きくなり、今では両手でもっても余るほどの大きさになったので、2011年11月に晴れて「深海の生物3」の展示水槽にデビューしました。

 飼育係はどの生物も大切に思っていますが、やはり小さなときから手塩にかけて育てたものは、どうしてもひいき目で見てしまいます。水槽デビューした「うちの子」を、ぜひ見に来てください。

写真上:タカアシガニが2匹に増える?
写真中:搬入時は手のひらに乗るほどの大きさ
写真下:4回分の脱皮殻

〔葛西臨海水族園飼育展示係 三森亮介〕

(2012年01月20日)



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