上野動物園に新しく完成した「ホッキョクグマとアザラシの海」の土のある放飼場側の坂を登り切ると、右手にラマ、バク、カピバラを展示している場所があります。ここではこの3種類の動物を交代で展示していますのでご説明します。
午前中、放飼場に最初に出ているのはラマのヒカル(オス、12歳)とカピバラのマオ(メス、4歳)です。動物園の開園より早く、午前8時半くらいから外に出ていますので、みなさんが来園されるときには放飼場でくつろいでいます。朝は一番日光が良く当たるので、晴れた日は2頭とも気持ちよさそうに日向ぼっこしているようすが見られます。
午前10時45分頃になるとヒカルは寝室へ、マオは小放飼場へ移動します。そして次に出てくるのがアメリカバクです。サム(オス、12歳)とラム(メス、10歳)の計2頭を飼育していますが、1頭ずつ放飼するので、どちらが先に出て来るかはその日のお楽しみ。右耳に切れ目がある方がサムです。観覧通路側に樫の枝葉を挿しますので、ここが一番の観察ポイントです。
午後1時20分頃にもう1頭のバクと交代します。なぜバクを交代で展示しているかというと、バクは野生では単独で生活しており、繁殖時期に一緒に行動します。上野動物園でもふだんは別々に飼育し、およそ1か月おきに来るメスの発情に合わせて一緒にしています。
それからもう1頭カピバラのオス(2010年11月28日生まれ)を裏側で飼育しています。このオスは10月に市川市動植物園から来園してきたばかりで、上野動物園の環境に慣れたら放飼場デビューしますので、いましばらくお待ちください。
写真上:カピバラ(手前)とラマ(後方)
写真中:アメリカバクの2頭
写真下:放飼ローテーションの表示
〔上野動物園東園飼育展示係 藤岡紘〕
(2011年11月04日)
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