ニュース
今年生まれのアオウミガメ
 └─葛西  2011/10/14

 葛西臨海水族園では、小笠原で生まれたアオウミガメを展示しています。小笠原はアオウミガメの日本最大の繁殖地ですが、明治時代に乱獲され、その数は激減しています。現在は、「小笠原海洋センター」によって保護・調査活動がおこなわれており、水族園では、そこで保護されたアオウミガメを展示しています。2011年9月27日からは、今年生まれのアオウミガメ2匹を展示しています。

 水族園へやってきた2匹のアオウミガメは、2011年6月9日から14日に父島の大村海岸に産卵され、8月2日から5日の間に砂の中から出てきた個体です。6月下旬の出張でアオウミガメの産卵に立ち会うことができたのも、この大村海岸でした。

「祝!世界自然遺産登録『小笠原現地レポート3』」(2011年07月08日)

 水族園では、毎年孵化後1~2か月の子ガメを預かり、約2年間飼育して、成長したカメを小笠原へ返しています。

 今年は9月27日に水族園へ到着し、その時の大きさは、直甲長(甲羅の長さ)約9センチメートル、直甲幅(甲羅の幅)約8センチメートル、体重約120グラムでした。2009年に来園し約2年後の今年6月に小笠原へ返した個体は、直甲長28センチ、直甲幅22センチ、体重2,900グラムまで成長していました。

 子ガメの餌はワカメとサクラエビで、カメの体重の約5%の量を与えています。まだ慣れていないようすで、サクラエビの頭部の殻を苦戦しながら食べています。徐々に、アマエビやアジ、イカなどの餌にも慣らしていきます。餌は毎日、午後2時から4時の間に与えていますので、タイミングがよければ食事風景をごらんになれるでしょう。

 今年生まれの2匹のカメは、東京の海エリア「伊豆七島の海4」水槽の2階にある小型の水槽で展示しています。ここで1年間水族園の環境や餌に慣らしてから、すぐ下の大型の水槽で展示する予定です。

写真上:アオウミガメ
写真下:展示水槽のようす

〔葛西臨海水族園飼育展示係 小木曽正造〕

(2011年10月14日)



ページトップへ