小獣館1階、四方をガラス面に囲まれた展示施設。その中にミーアキャットがいます。親のペアと、2004年2月2日に生まれたメス2頭の計4頭。
かなりすばしこく動き回っていますが、ときどき高いところに登って、うしろ足2本としっぽでからだを垂直に支え、真上をじっと見ています。体をクルッとひねって、空を見あげていることもあります。
そこにはいったい何が? ミーアキャットの視線をたどるとそこは空。展示場の真上の天井は可動式になっていて、ボタンひとつで開閉できるのです。
雨はもちろん、風が強い日などは閉めきってありますが、天気のよい日は全開にします。上を見つめているのは、きっと警戒しているのでしょう(同様の行動は、天井[半透明]が閉まっていても見られます)。カラスなどが視界に入ると、ミーアキャットたちはすばやく隠れてしまいます。
1頭だけでなく、ときには2~3頭で天を仰ぎ見ていることも。垂直に立った体に対して首を直角に曲げ、水平方向をじっと見ていることもあります。まわりで見ている人間には反応していないようにも見えますが、作業服を着た飼育職員が通りかかると、かならず反応するとか。
午後2時ごろが餌の時間。餌をあたえると飛びついて、おたがいに離れたところで食べ始めます。肉を前足でおさえながら食べるのですが、それほどしっかりとつかまえているわけではありません。前足の爪が長いこともあって、おさえきれてないような……。
ミーアキャットはジャコウネコ科の食肉類。アフリカ南部にすんでいます。ミーアは「海」、キャットは「ネコ」のようです。ただし、生息しているのは乾燥地。ジャコウ「ネコ」科ではありますが。
『世界大百科事典』には、「体つきは細く,頭が小さく,目の周辺が黒く吻がとがるので神経質そうに見える」。うーん、“神経質そう”……? たえず、警戒しているのはたしかですが……。
警戒ポーズも見られるビデオは
「東京ズーネットBB」のこちらをどうぞ(約3分)。2003年8月9日に生まれた、まだ目のあいていないミーアキャットの赤ちゃんが、巣の外でコロンコロンところがっているシーンも映っています。
(2004年11月12日)