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カイツブリのひな、順調に成長中
 └─井の頭 2011/06/03

 先週のニュースでお知らせした井の頭自然文化園水生物館のカイツブリのひなは、2011年5月23日、25日に続き、27日と28日にも1羽ずつ孵化しました。6月1日現在、4羽のひなが順調に成長しています。

・先週のニュース「カイツブリのひなが孵化しました」

 孵化してしばらくは、親鳥の背中に入ってほとんど外に出て来なかったひなたちも、最近は巣の上や水面で過ごす時間が増えてきました。カイツブリのひなは孵化後10日から15日で親鳥の背中より外で過ごす時間が長くなり、16日から20日で背中に入らなくなります。親の羽の隙間から顔を出すかわいいしぐさを見ることができるのは、もうあとわずかです。

 ひなの餌は水面に投げ入れるミールワーム(チャイロコメノゴミムシダマシの幼虫)とフタホシコオロギです。親鳥は器用に潜水して餌をくわえるとひなの口元まで運び、ひなはそれをつまみとって食べます。上手に受け取れないときは、親鳥は餌を咬みなおしたり向きを変えたりして、根気よく与え続けます。ひなのほうも、どんどん受け取り方が上達してきました。孵化後7日程度で、水面にある餌を自分でとれるようになるので、まもなくそんな姿も見ることができるでしょう。

 さて、巣にひとつだけ残っていた本物の卵は、5月29日に親鳥が巣の外へ落としまいました。拾って確認したところ、殻には穴があき、中身が腐っていました。親鳥は卵が孵化しないものと判断し、巣外へ捨てたのでしょう。今回の繁殖で孵化したひなは、最終的に4羽ということになります。
 ひなの観察は、6月中旬ころまでがおすすめです。

写真上:親鳥の背中から顔を出すひな
写真下:巣で餌を待つひな

〔井の頭自然文化園水生物館飼育展示係 中沢純一〕

(2011年06月03日)



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