2011年2月28日朝、レッサーパンダの「メイメイ」(メス、3歳)が繁殖のために千葉市動物公園へ旅立ちました。
メイメイは、双子のルンルン(オス)とともに、2007年6月28日、メスの花花(ファンファン)とオスの淡々(タンタン)との間に生まれました。ちょっとのんきで人見知りもあまりしないルンルンに比べ、メイメイは見慣れない物があると、すぐ走って逃げてしまうような警戒心の強い個体です。
しかし、搬出のためには、輸送箱に慣れてもらわなければなりません。そのため、毎朝おこなっている馴致(健康管理やコミュニケーションをとるため人に慣れるよう訓練すること)の時間に、輸送箱に入る練習をしました。方法は大好物のリンゴを使って、輸送箱の中に誘い込むだけです。
初日は、初めて見る輸送箱を警戒し、なかなか近付いて来ませんでしたが、毎日続けていると、なんとか奥まで入るようになりました。後は扉を閉めるだけですが、それは本番の一発勝負です。
搬出当日、メイメイは、私が扉を開けるとすぐにやってきたので、リンゴを与えながら体のチェックをしました。「もう、こうやって触ることもないんだろうな」と思うと、なんとなく名残惜しい気もしました。
輸送箱にリンゴを投げ入れるとすんなり中に入りましたが、片足が外に残り、これでは扉が閉められません。何度か挑戦し、全身が中に入ったところで扉を閉めました。メイメイは驚いたようで、「ガガッ」と声をあげて怒っています。メイメイが暴れて扉が一瞬開きかけ、ヒヤッとする場面もありましたが、何とか無事に入れることができました。
・メイメイを輸送箱に入れるシーンを動画でごらんください。
(
Windows Media形式、
QuickTime形式)
そのまま動物輸送専用の車に乗せ、職員たちに見送られながら、千葉市動物公園に向けて旅立ちました。
2010年には双子のお豆姉妹「ダイズ」と「アズキ」を出産し、立派に育て上げたメイメイ。千葉市動物公園でも元気で活躍し、お豆たちの弟妹誕生のニュースを聞く日が来ることを楽しみにしています。
写真:輸送箱の中のメイメイ
〔多摩動物公園南園飼育展示係 高村里美〕
(2011年03月04日)