2011年1月2日、井の頭自然文化園水生物館でカワネズミの展示を始めました。オオサンショウウオの大きな水槽の中に小型水槽を設置して展示しています。泳げるように水を入れた水槽と、巣となる小さなケースを入れた水槽をつなげた2階建て構造で、2階と1階は流木を伝って移動できるようにしてあります。
ところで、「カワネズミ」という名前を聞いたことがありましたか? ネズミと名がついていますが、モグラと同じなかまで、外見もモグラ(アズマモグラ)そのものです。
本州、九州に生息しており、東京周辺でも見られる半水生の哺乳類です。名前にカワ(川)とあるように、川の上流部(渓流)を主な生息場所にしています。そして、なんといっても大きな特徴は、泳ぎが得意なことで、水に潜り水生昆虫や魚、カエルなどを捕食します。水槽内でもじょうずに生きた魚を捕まえることができるのには驚きです。
潜っているときには、体にびっしりと生えた短い毛の間に空気の幕ができて、銀色にみえるところから、「ギンネズミ」とも呼ばれています。
目はほとんど見えないかわりに臭いや音に敏感で、盛んに鼻先を動かし、周囲の臭いをかいでいます。物音がするとじっとしてしばらく動かなくなってしまいます。
数時間のサイクルで活動と休息を繰り返しているようで、午前中は盛んに潜って魚を捕食していますが、午後には寝ていることが多いようです。魚の捕食を見たい方は、ぜひ午前中の来園をお勧めします。
写真上:カワネズミ
写真下:展示水槽
〔井の頭自然文化園水生物館飼育展示係 中村浩司〕
(2011年01月14日)
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