ニュース
クロマグロを搬入しました
 └─葛西  2010/11/27

 2010年11月24日、鹿児島県からクロマグロ約90尾を輸送し、葛西臨海水族園に搬入しました。今回搬入したクロマグロは、今年の8月に鹿児島県沖の海で一本釣りの漁師さんに採っていただいたものです。

 それをわれわれ水族園のスタッフが、鹿児島県南さつま市笠沙町の海上イケスで受け取り、約3か月間育ててきました。

 受け取り直後は体長が30センチメートルに満たなかったクロマグロですが、輸送直前には約45センチメートルにまで成長しました。

 そのクロマグロを鹿児島県から水族園まで、活魚輸送専用の大型トレーラーを使い、陸上輸送しました。以前は、長距離の輸送や水槽飼育に耐える体力を養うため、笠沙で採ったクロマグロを一度奄美大島に移動し、さらに約半年間海上のイケスで大きく育ててから水族園まで運んでいました。しかし、活魚車の運搬能力の向上や取上げに使うタモ網の工夫を重ねた結果、笠沙から水族園まで直送することが可能になりました。

 それでは、どのように水族園まで運んできたのかを簡単にご紹介します。 まず笠沙の海上イケスで育ててきたクロマグロを、イケスごと岸壁まで漁船で曳航します。そこで、やわらかいビニールでできたマグロ取上げ用のタモ網を使って、1尾ずつていねいにすくい上げ、タモ網ごと人から人へリレー方式で手渡してトレーラーの水槽に積み込みます。

 積み込み完了後、トレーラーは鹿児島県から水族園まで高速道路を乗継ぎ、夜通し走り続けます。鹿児島を昼に出発したトレーラーが、水族園に到着したのは翌日の朝でした。

 水族園に到着してもまだ安心はできません。今度は「マグロタンカ」と呼んでいるマグロ類運搬専用のタンカを使って、トレーラーの水槽からクロマグロを1尾ずつ海水とともにすくい上げ、再びリレー方式で手渡していき、展示する大水槽へ運び込みます。

 今回の搬入作業には、スタッフ、ボランティア、現地協力者含め総勢50名以上の人々が携わり、笠沙での積み込みから約24時間後、無事大水槽に90尾ほどのクロマグロが搬入されました。

 このクロマグロはまだまだ大きくなります。みなさんには、大水槽の中で成長していく姿をぜひごらんいただきたいと思います。

写真上:マグロの入ったタモ網をリレー
写真下:水槽のマグロをすくい上げる

〔葛西臨海水族園調査係 小野瀬拓也〕

(2010年11月27日)



ページトップへ