上野動物園の両生爬虫類館(ビバリウム)では、サビトマトガエルの展示を開始しました。
サビトマトガエルはマダガスカルにすむカエルで、その名のとおりトマトのような赤からオレンジ、濃黄色などの体色をしていて、背中にサビ状の虫食いもようが現れる個体も多いカエルです。
顔はあまりカエルらしい顔ではなく、どちらかというとイヌのチンのようなひょうきんな顔をしています。
しかしその顔に似合わず、サビトマトガエルは敵に襲われると体を大きく膨らませて威嚇し、それでも相手がひるまないと、皮膚から白い粘液を分泌することがあります。これは、捕食者にとっては、味が悪く毒になるといわれています。また、人間の皮膚にかかると発疹を生じさせることもあります。
サビトマトガエルは、自然界では目立ちすぎる体色をしていますが、これは、襲ってくる相手に「自分には毒があるぞ!」と知らせる警告色だったのです。
おいしそうな名前とユーモラスな風貌?なのに、じつはおいしくないサビトマトガエル。ぜひ会いにいらしてくださいね。
写真上:横から見たサビトマトガエル
写真中:上からみたところ(平常時)
写真下:体を膨らませたところ
〔上野動物園は虫類館飼育展示係 大渕希郷〕
(2010年09月17日)
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