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コツメカワウソが再び出産
 └─多摩  2010/04/23

 2009年10月21日に多摩動物公園のコツメカワウソが出産したことをこちらのニュースでお知らせしましたが、2010年4月11日、またまた出産しました! 前回の子は「大麦」「小麦」と名づけられ、すくすく育っています。

 大麦と小麦(ともにメス)も、2月に入ると水に入って餌を取るようになり、母親のカワちゃんが2頭の前に餌のワカサギを運ぶことも少なくなってきました。子育ても一段落し、ほっと一息かなと思っていました。が、ふと気づくと、カワちゃんのおなかが膨らんでいる気がします。年に2回出産することもあると聞いてはいたのですが、まさか妊娠したのか?と半信半疑ながら、ようすを見ていました。

 3月後半になると、カワちゃんのおなかはますます膨らみ、妊娠確実となったので出産準備に取りかかりました。コツメカワウソは家族で子育てをする場合があるので、4頭が入れる大きな巣箱を作りました。ただし、巣箱を設置した寝室は3室に分かれているので、それぞれの部屋に目隠しを張りめぐらしました。

 そして4月11日の朝、巣箱から子の鳴き声が聞こえ、誕生したことを知りました。カワちゃんは前回の子育てで慣れたのか、飼育係を過度に警戒することもありません。小麦がカワちゃんといっしょになって巣材の乾草を運ぶ姿も見られました。オスのゴンタも飼育係のほうを向きながら、泰然としています。巣箱には4頭と子が入り、いっしょに寝ているようです。

 写真上は、4頭が隣室の巣箱のまわりにいたので、こちらの巣箱は空かと思い、掃除に入ってふたを開けたら生まれた子が寝ていたので撮影しました。ふたを開けた瞬間、「しまった!」と一瞬あせったのですが、母親カワちゃんのようすを確認したところ、あまり気にはしていないようでした。

 当初、巣箱の中を気にしていた姉さんカワウソたちも、最近では自分たちだけで好き勝手に遊んでいることの方が多くなりました。ときにはカワちゃんやゴンタもいっしょになって遊んでいることもあります。どうやら、この両親やお姉さんたちの子育ては、放任主義のようです。 出産直後なので、まだまだ予断は許しませんが、無事に育ってくれることを祈る毎日です。

写真上から:
・巣箱の中で乾草にくるまって寝る子どもたち。少なく
 とも4頭が確認できます(2010年4月23日撮影)
・大き目の巣箱の上でくつろぐオスのゴンタ
 (2010年4月20日撮影)
・隣室での掃除を気にするゴンタと大麦と小麦
 (2010年4月20日撮影)

・東京ズーネットBBの動画
 「コツメカワウソの親子」(2010年01月撮影)

〔多摩動物公園南園飼育展示係 大橋直哉〕

(2010年04月23日)



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