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お母さんになったヤギ
 └─多摩  2010/04/09

 2010年2月16日、前年6月に出産したタンが2度目の子どもを産みました。夕方から陣痛の間隔が狭まり、出産に備えてでしょうか、横になることが多くなりました。痛みが遠のいたと思われるときには、むさぼるように餌を食べていました。そして夕闇が広がるころ、お尻からツルリンと黒っぽい塊が出ました。赤ちゃんの誕生です! タンは慣れたようすで子どもを舐め、すぐに世話を始めました。

 一方、2月29日に初産で2頭の子どもを生んだポンは、しばらく母性に目ざめませんでした。お乳を求めて近づくわが子を恐れ、角で追い払います。育児放棄でしょうか?

 なんとか初乳を飲ませようと、嫌がる母親の体を職員が抑え、子どもに母親の乳首をくわえさせ、お乳を搾り、子どもの口の中に流し込んでみました。これを数回おこなうと、ポンに変化が見られました。翌日には、ポンがお乳をじょうずに飲ませているのが確認できたのです。しかも、子どもの姿が見えなくなると親子で鳴き交わすほど、すっかりお母さんらしくなりました。

 ポンは放飼場の台の上がお気に入りです。最初のころ、ポンの子たちはお乳を求めて、母親のいる上の台までおそるおそる登っていました(タンの子は登りません)。母親ゆずりの度胸のよさでしょうか? 最近は、高いところからの景色を楽しむ子どもたちの姿がごらんになれます。

〔飼育展示課南園飼育展示係 若井直美〕

(2010年04月09日) 



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