大島公園動物園では、オジロワシのつがい──オスの「ハヤト」(24歳)とメスの「アサヒ」(28歳)を飼育しています。
この夫婦は4年前に繁殖に成功しました。その繁殖功績に対し、財団法人日本動物愛護協会から表彰を受けましたが、その後は繁殖がうまくいかず、昨年(2009年)も産卵は見られましたが、ひなが孵ることはありませんでした。
そこで今年は、巣の上に小型のモニターカメラをつけて、産卵と抱卵(親鳥が卵をあたためること)を観察できるようにしました。
2010年1月中旬、夫婦が巣の近くに来るようになったので、木の枝や干草など、巣作りの材料を動物舎に入れました。そして2月初旬、メスのアサヒによる巣づくりのようすをモニターカメラで観察できたのです。
その後、繁殖行動が見られるようになり、3月6日には1卵、3月10日はもう1卵をカメラを通して確認しました。
抱卵中のオジロワシはとても神経質です。モニターカメラがあれば近づかなくて観察できるので、飼育係も安心して彼らをサポートできます。オジロワシの抱卵期間は約35日です。ひなが無事に孵るよう、みなさんも応援してくださいね。
〔大島公園動物園 天野典子〕
(2010年03月12日)
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