ニュース
新展示「ひよことたまごのふしぎ」
 └─上野  2010/03/05

 上野動物園の子ども動物園にある「なかよし広場」では、以前から「孵卵器」(卵を人工的に孵化させる機械)を使った展示をおこなってきました。

 このたび、孵卵器の場所を「なかよし広場」内で少し移動させ、生きたヒヨコを加えてリニューアルオープン!

 孵卵器の展示自体は、これまでにもおこなってきました。卵を温め、21日するとヒヨコが生まれます。孵化の際、中のヒヨコはくちばしを使って殻をつついて割ろうとします(「はし打ち」と呼ばれる行動ですね)。

 ヒヨコがはし打ちを始めると、そのようすをじっと観察し、生命の誕生の瞬間を待つ方々から応援の声があがります。私たち飼育係にとっても、命の誕生は何度見ても感動するものです。

 生まれたヒヨコは、羽がかわいてしっかりするまで、1~2日は孵卵器の中ですごします。その後、餌や水がある育雛箱(いくすうばこ)ですくすくと成長するのです。

 新しく加えたのは、この育雛箱の展示です。孵卵器のとなりにある育雛箱では、さまざまな色のヒヨコたちが元気に動いています。孵化して2日経つと、フワフワの柔らかな羽の中に、しっかりとした羽が生えてきて、成長の早さにおどろかされます。

 私たちはふだん卵や鶏肉を食べていますが、ニワトリそのものを目にすることは少なくなりました。ちょっと前まで、民家の庭先でよく飼われていたようですが……。愛らしいヒヨコの姿を見て、ニワトリを身近に感じてください。

 また、来園者の方からご質問の多かった「卵についての疑問」をパネルで解説しています。孵卵器、育雛箱の展示とあわせて読んでいただけると、卵のふしぎがわかるはず。

 私たち人間にとって、とても身近な「卵」から「命」が誕生する不思議を、ぜひ目の前で感じてください!

〔上野動物園子ども動物園係 高橋美紀〕

(2010年03月05日)



ページトップへ