巻き貝のなかまは、サザエなど藻類を食べる藻食性のもの、二枚貝を好んで食べるツメタガイなど肉食性のものなど、いろいろです。
今回ご紹介するのは、肉食性のホラガイの一種、ボウシュウボラです。ホラガイのなかまはヒトデ類を好むものが多いのですが、ボウシュウボラもヒトデやイトマキヒトデなどを好んで食べます。
ボウシュウボラは東京湾では底引き網などに入ってきます。最近は採れる量がだんだん少なくなってきているようですが、そのせいかヒトデは大量に見られ、アサリなどの食害が心配されています。
ボウシュウボラは、ちょうど今ごろ産卵期を迎えます。この貝のなかまの卵のうは「海ほおずき」と呼ばれる特徴のある形をしています。種類によって形も異なっており、ボウシュウボラの卵は徳利のような形をしているので「トックリホオズキ」と呼ばれます。母貝は産みつけた卵のうをしばらく守ります。
ボウシュウボラの生きたようすは、「渚の生物」エリアにある「しおだまり」水槽の上に設置した小水槽で見ることができます。トックリホオズキはバックヤードで産卵してしまったので、お見せできません。残念ですが、写真で我慢してください。
写真上・中:ボウシュウボラ
写真下 :卵のうを守る親貝
〔葛西臨海水族園飼育展示係 江川紳一郎〕
(2010年02月19日)
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