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マカロニペンギン全個体、下関へ出発
 └─上野  2009/12/04

 2009年12月現在、日本動物園水族館協会に加盟する動物園や水族館のうち、マカロニペンギンを飼育しているのは9施設。計27羽が飼われています。

 しかし、日本国内のマカロニペンギンは高齢化が進み、産卵数も減少したうえ、無精卵も多く見られるようになってしまいました。また、各施設での飼育数が少なく、雌雄の繁殖のタイミングが一致しづらくなっています。

 ペンギンは群れでくらす鳥類です。アメリカでは6羽以上の群れで飼育することが推奨されていますが、日本国内でマカロニペンギンを6羽以上飼育しているのは、これまで宮城県のマリンピア松島水族館だけでした。そこで、国内のマカロニペンギンを集め、大きな群れをつくって、雌雄の繁殖のタイミングを一致させることにしました(同居させることで、繁殖に関する雌雄の行動や生理的変化が一致するようになります)。

 2009年12月4日、上野動物園から全個体(オス2羽、メス1羽)、および、千葉県鴨川市の鴨川シーワールドの全個体(オス1羽)を、山口県の下関市立しものせき水族館(海響館)に移動させました。

 海響館ではマカロニペンギンを4羽(オス3羽、メス1羽)飼育していたため、上野と鴨川からの個体が加わると合計8羽、国内最大のマカロニペンギンの群れとなります。

 海響館では、新しいペンギン飼育施設「ペンギン村」が2010年3月1日にオープンします。「ペンギン村」は、亜南極圏のペンギンを健康に飼育するための冷房施設を備えています。あたらしい群れでの繁殖が期待されます。

写真上:輸送箱に搬入
写真下:上野動物園から出発

しものせき水族館(海響館)
鴨川シーワールド

〔上野動物園調整係 大賀幹夫〕

(2009年12月04日)



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