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ウォークインバードケージ、そこは……その2
 └─多摩  2009/10/02

 昨年(2008年)5月1日にオープンした多摩動物公園の「ウォークインバードケージ」は、2つの大きなドーム型のケージから成り立っています。スイギュウ舎側の「西ケージ」では、ツル類やコウノトリ、ナベコウといったアジアにいる大型の鳥を飼育展示しています。今回も、この西ケージでのお話です。

 ウォークインバードケージの中にも「標準ラベル」を設置しています。動物の名前を含め、基本的な情報が書かれているのですが、これだけでは情報が少ないので、手作りのラベルを作ることにしました。

 データを作り、カラー印刷してラミネートします。その裏にポリスチレンボードを貼って、標準ラベルの空きスペースに貼りつけました。手作りラベルは標準ラベルから少しはみ出していたのですが、数日経ってから見ると、そのはみ出した部分のポリスチレンボードがちぎり取られたようになっていました。放っておくと、どんどんなくなっていきます。どうやら、コウノトリかツルがかじってしまうようです。結局、西ケージではこの手作りラベルをやめました。

 その後、施設維持補修を担当する職員に、ラベルを貼るための台を設置してもらいました。この台は、大きな木の切り株を斜めに切ったもので、そこにクリップでラベルをとめるようになっています。また、木の枝でおしゃれな囲みが作られていました。

 さっそく手作りラベルを貼ったところ、ラベルがはがされてしまいます。クリップ止めだけでは、ツルたちが簡単にはがしてしまうのです。はがされたラベルはくちばしでつつかれ、穴が開き、ボロボロになってしまいました。

 そこで、ラベルをクリップ止めし、さらに両面テープで貼りつけました。この工夫でラベルがはがされなくなったのはよかったのですが、今度はラベルが鳥の糞で汚れるようになりました。ラベルを囲んでいる木の枝が、止まるのにちょうどいいようです。とくにコウノトリは高いところに止まるため、この台がお気に入りです。

 これまで、動物がいる空間にラベルを設置したことはなかったため、動物にラベルをイタズラされることはありませんでした。

 ケージ内に入って鳥を間近で見ることができるウォークインバードケージ。そこは、「自由気ままな」鳥たちの楽園です。イタズラ好きな彼らとのあくなき戦いは、まだまだ続きます。

写真上:コウノトリは高いところに止まるのが好き
写真下:オシドリも止まります

〔多摩動物公園南園飼育展示係 土屋泉〕

ウォークインバードケージ、そこは……その1

(2009年10月02日)



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