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シマウマ「ライム」の大放飼場デビュー
 └─多摩  2009/09/25

 2009月5月19日、多摩動物公園で10年ぶりにグレビーシマウマが生まれました。名前は「ライム」、男の子です。親子のようす、メスのシマウマ、キリン、シロオリックスと同居するまでの 114日間についてお伝えします。

 ライムは、父親ノバータと母親ライチとのあいだに生まれました。誕生直後は前肢も後肢も細く、体とのバランスも悪くて弱々しく見えましたが、しばらくすると歩き方も少しずつしっかりし、誕生翌日にはオス用小放飼場に親子で出すことができました。

 オス用小放飼場では母親の後をついて回っていましたが、まだおぼつかない足取りです。しかし、日が経つにつれ足腰がしっかりとして、元気に小放飼場内を駆け回るようになったので、大放飼場に出して、他の個体群と同居させることにしました。同居日は、不測の事態に備えて休園日を選び、2009年9月2日(水)と9月9日(水)の2回にわけました。

 最初は、シマウマのメス3頭との同居です。9月2日、ライムを初めて大放飼場に出しました。母親のあとをついて出て行ったライムは、他のシマウマたち(コマコ、ランバ、ナギ)といっしょに5頭で大放飼場を少し興奮気味に駆け回っていましたが、しばらくすると、物珍しそうにひとりで他のシマウマに近づいていきました。しかし、そのたびに威嚇され、追い払われてしまいます。すると近くにいる母親のライチが駆け寄ってくるのですが、母親が目を離すと、また同じ事の繰り返しです。初日なので約30分間の同居でしたが、5頭のあいだでトラブルが生じることもなく、無事に終了しました。

 それから1週間後の9月9日、今度はキリンとシロオリックスを含めたサバンナの動物たちとの同居です。この1週間、ライムはずっと母親と2頭で小放飼場にいたため、大放飼場に出たくてしかたがなかったようです。出してやるとすぐに走り去ってしまいました。

 前回同様、ライムはシマウマどうしで駆け回っていましたが、しばらくするとライムからシロオリックスのオスの子どもに近づいていきました。しかし、例によってツノで威嚇され、退散してしまいます。この日も大きなトラブルはなく、予想より順調に同居させることができたので、翌日から全頭を大放飼場に出しました。

 同居から約半月がたち、ライムもサバンナの雰囲気に少し慣れました。体格も少しりっぱになり、元気一杯。サバンナを駆け回りながら、いろいろな体験をして、たくましく成長していくことでしょう。

〔多摩動物公園北園飼育展示係 横田利明〕

(2009年09月25日)



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