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マヌルネコの赤ちゃん、生まれました──上野 5/15
 2004年4月6日、小獣館のマヌルネコが2頭を出産! 性別は不明です。体長は約20センチ。最近、巣箱から出て、ヒョロヒョロと歩くすがたが見られるようになりました。

 母親は2002年3月8日に名古屋の東山動物園から来園(現在3歳)、父親は1998年9月3日に中国上海からやってきました(現在6歳)。
 別々に飼育していたペアをいっしょにしたのは2003年6月30日。同居の試みはこれまでにもありましたが、ケンカをするので、すぐ離していました。しかし今回は、室内に隠れる場所もつくって、同居に慣れさせることにしたのです。

 2003年12月12日と26日には、ふだん鳴かないメスが「ニャーニャー」と発情らしき声を立てていました。交尾は確認できませんでしたが、2004年4月6日の朝、巣箱から子どもの声が聞こえました。早朝の出産と思われます。午後には、巣箱の出口付近に1頭のすがたを確認。
 4月8日夕方には、巣箱出口付近で2頭の赤ちゃんを目撃。さらに、5月3日午後、2頭の子どもが巣箱から出てきていました。
 ストレスを与えると、親が子どもを食べてしまうことがあるので、飼育室内には人は立ち入らず、しばらく掃除をしないで、そっとしておきました。
 最近は、表側からよく見えるところに赤ちゃんたちが出てくるようになりました。今日も14時ごろ、おぼつかない足どりでお母さんのあとをついていく赤ちゃんのすがたを目撃。急いでカメラを取りに戻ったら、その後は奥の方でずっと眠りこけていました。ケチー。

 乳腺の発達が見られる母親には、鶏頭と馬肉をいつもよりたくさん与えています(同居しているので、父親の口に入る量も増えるんですが)。マウスを与える頻度も増やす予定。
 上野動物園でマヌルネコが繁殖したのは初めてです。また、国内でマヌルネコを飼育しているのは、上野動物園以外に2園だけ。マヌルネコは、シベリア、モンゴル、チベットの高地に分布し、乾燥した環境でくらすネコ科の動物です。耳が丸くて、頭の側方についているのが特徴の一つ。ちなみに、マヌルとは、モンゴルのことばで「ちいさいヤマネコ」を意味するとか。
 人間をけっこう認識しているらしく、いつもと違う飼育係がそばに行くと、ケゲンな表情でジーッと見つめかえしてくるそうです。

・東京ズーネットBBのマヌルネコの動画はこちら(2003年8月11日撮影)

・東京ズーネット「どうぶつ図鑑」のマヌルネコはここ



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