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オスのライオンが群馬から来園しました
 └─多摩  2009/09/04

 2009年8月31日、群馬サファリパークからオスのライオンが来園しました。名前は「リバース」。2001年生まれの8歳です。

 多摩動物公園にはライオンがたくさんいるのに、なんで他の園から来たの?と思われる方がいらっしゃるかもしれません。リバースが来ることになった経緯をご説明しましょう。

 メスのライオンは1回の出産で1~6頭を出産するため、そのままではどんどん数が増えてしまいます。寝室や展示場での頭数が多くなりすぎるとケンカの原因となり、リラックスした生活がしにくくなります。

 また、近親交配を防ぐために、多摩動物公園では展示しているオスにパイプカットという避妊手術を施して繁殖を制限しています。繁殖させたいときは、展示個体とは別に飼育している「種オス」(たねオス)と、発情したメスを同居させています。

 このようにして繁殖を管理してきたのですが、種オスが15歳の高齢になり、さらに新しい血を入れる必要もでてきました。そこで、群馬サファリパークから3か月間、オスを借り受けることにしたのです。

 到着後、輸送箱から寝室にすんなり移動したリバースは、部屋の中を一周した後、飼育係や他のライオンたちから見えにくい場所に座り込み、動こうとしませんでした。みずから威嚇することもなく、座ったまま、人の動きや室内のようすをじっとうかがい、状況を把握しようとしているようでした。

 リバースに気がついた他のライオンも威嚇することなく、じっとリバースを観察していました。私は、ライオンたちがもっと吼えたり、格子ごしに威嚇したりすると思っていたので、その反応は意外なほどあっさりと感じられました。

 多摩と群馬では獣舎の構造に違いもあるため、リバースが環境に慣れるまで、しばらく時間がかかりそうです。メスがリバースを受け入れてくれるかどうかはまだわかりませんが、リバースが力を発揮できるような環境づくりを心がけていくつもりです。

写真上:群馬サファリパークから到着
写真中:ここはどこ?
写真下:まだ緊張してます

〔多摩動物公園北園飼育展示係 近藤奈津子〕

群馬サファリパーク

(2009年09月04日)



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