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アゲハ類のために暑さをしのぐ袋がけ
 └─多摩  2009/07/10

 蒸し暑い日が続いています。暑くなると、多摩動物公園昆虫園では、チョウ飼育室の幼虫死亡率が高まります。エアコンを入れても、あまり効果がないため、苦労のわりにあまり報われない季節です。

 とくにクロアゲハ、ナミアゲハなど、シロオビアゲハを除いたアゲハのなかまは全滅、あるいは幼虫の1割か2割しか蛹にならない状態が続きます。

 この状態を改善するため、昆虫生態園の裏側にあるミカンの木を利用することにしました。このミカンの木はコナラの大木の下にあり、涼しくて風通しのよい場所に植えられています。このミカンの木に防虫ネットで作った袋をかぶせ、幼虫をその中で育てることにしたのです。

 幼虫は2令か3令まで室内で育て、防虫ネットの目から出られない大きさになったらミカンの木に移し、蛹になる直前まで屋外で飼育します。室内より温度が低いため、成長に時間がかかりますが、幼虫の死亡率は下がります。暑さがおさまる10月ごろまで、この飼育方法を続ける予定です。

〔多摩動物公園昆虫園飼育展示係 深谷高司〕

(2009年07月10日)



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