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毒ヘビとの意外な関係? キングヘビ属2種を展示
 └─上野  2009/06/12

 上野動物園の両生爬虫類感(ビバリウム)の第1展示場(温室)で、カリフォルニアキングヘビとプエブランミルクヘビの展示を始めました。いずれも、ナミヘビ科キングヘビ属のヘビです。これら2種のヘビには毒はありませんが、どちらも毒ヘビに関係するエピソードがあります。

 カリフォルニアキングヘビは白と黒の帯状の模様をもち、最大で全長 1.5メートル程度の大きさです。野生では、哺乳類、鳥類、爬虫類などいろいろな動物を食べていますが、ときには毒ヘビとして有名なガラガラヘビを食べることもあり、そこからヘビの王様という意味の「キングヘビ」と名づけられました。

 もうひとつのプエブランミルクヘビは、毒ヘビのまねをするヘビです。赤、白、黒の3色が帯となって並ぶ体色はいかにも毒々しい感じですが、これは、サンゴヘビという猛毒をもつヘビ(コブラ科)に似せているのです。

 猛毒をもつことを派手な体色で知らせ、無用な争いを避けるサンゴヘビ。それに似せて身を守るミルクヘビ。ミルクヘビはちょっとセコいような感じもしますが、それぞれの方法で生き残ってきたというところに進化の面白さを感じませんか?

 迫力ではどちらもアナコンダやニシキヘビにはかないませんが、ツヤツヤ光る美しいうろこや、意外に可愛い(?)つぶらな瞳をぜひ見にきてください。

写真上から:
・展示風景
 (左:プエブランミルクヘビ、
  右:カリフォルニアキングヘビ)
・カリフォルニアキングヘビ
・プエブランミルクヘビ

〔上野動物園は虫類館飼育展示係 坂田修一〕

(2009年06月12日)



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