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4本の角をもつヒツジの「うたた寝」
 └─上野  2009/05/23

◎「頬づえ」(?)をつくヒツジ、マンクスロフタン

 「春眠暁を覚えず」──この記事が配信されるころには、春眠というには少し遅い季節かもしれませんが、気候がいいと広場でお昼寝でもしたい気分になりませんか?

 上野動物園の子ども動物園にいる人気者、マンクスロフタンの「マロン」にとってもすごしやすい気候となったようです。マロンはお客さんが大好き。自分から柵のそばまで行って、お客さんに角や体を触ってもらうのがお気に入りです。とくに、前の角(上向きの角です。写真参照)の根元をなでてもらうのが好きです。

 でも、マロンもときには休憩したいようです。ある晴れた日の昼間、マロンを観察していると、気持ちよさそうに、うたた寝を始めました。ヒツジのなかまは休憩するとき、足を折りたたみ、体を地面につけた腹ばいの姿勢になります。広場にいるヒツジやヤギたちを見ると、頭を体に乗せるようにして休んだり、子ヤギなどは全身脱力したようになり、足を投げ出したかたちで寝たりすることもあります。

 さて、マロンはどうでしょう? かなり気持ちよさそうな表情をしながら腹ばいになり、あごを地面につけてウトウトし始めました。頭が左右に揺れています。頭を地面につけて寝たいのでしょう。

 しかし! マロンの頭に生えている4本の角のうち、2本は耳のあたりから横に張り出すように生えています。パタッと横に倒れたくても、角がつっかえ、他のヒツジたちのようには寝られません。こっくりこっくりするたびに角が地面にあたってしまいます(写真)。

 はたしてマロンのこの寝相、頬づえをついているようで楽なのか、それとも熟睡できないのか……。この寝姿を見る機会があったら、マロンの気持ちになって考えてみてください。

写真上:ん~……。
写真下:ZZZzzz...。

〔上野動物園子ども動物園係 齋藤麻里子〕

・東京ズーネットBBの動画
 「マンクスロフタン来園」(2008年10月撮影)

(2009年05月23日)



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