井の頭自然文化園で飼育しているアライグマは、2頭と3頭を交互に展示しています。頭数のわりに動物舎が少々広く、動物を見つけにくいようなので、えさを入れた小箱を高い所に吊り下げ、動物が見えやすい時間を作りました。
アライグマは手が器用で、うしろ足で立ち上がり、箱の穴からえさをじょうずに取り出します。中に入っているのは小さなペレットで、こぼれたものも手のひらでこすり合わせ、たしかめながら食べています。
工夫はもう一つ。回転する球形のえさ入れを「木製の四角い箱」に変えてみました。球形だと回転しているのがわかりにくいのです。また、人工的なプラスチック製よりも木製のほうが柔らかな印象なので自分で作ってみました。
容器が少々重いかと思いましたが、アライグマはすぐに慣れ、うしろ足で立ち、中のえさがなくなるまで穴からえさを取り出し続けます。四角の箱を回し、中から少しずつ出てくるえさを手に入れているアライグマを見ていると、まるでクジを引いてるように見えます。
どちらもアライグマの遊具になればと考えて作ったものですが、食事のときには、アライグマの知恵と器用なところを観察できます。
写真上:高いところに設置したえさ箱
写真下:回転するえさ箱
〔井の頭自然文化園飼育展示係 横田修〕
・東京ズーネットBBの動画
「
アライグマの7頭の子ども」(2004年6月撮影)
「
アライグマに氷のプレゼント」(2004年8月撮影)
(2009年05月15日)