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サバンナにシロオリックス「DJ」登場!
 └─多摩  2009/04/10

 日増しに暖かくなるこのごろ、サバンナの動物たちは若葉を食べようとしたり、砂浴びをしたり、大放飼場をくまなく動き回るようになりました。そのサバンナの真ん中にある小放飼場にいるのが、シロオリックスのオス「DJ」です。

 DJが熊本市動植物園から種オスとしてやってきたのは、吐く息も白い2009年2月25日。1996年8月10日生まれです。やんちゃだったのか、本来あるべきサーベルのような形の角は、2本とも根元から折れています。角の断面はまるでレコードプレーヤーの「ターンテーブル」みたいです。

 角の断面は鞘で覆われていないので出血しやすく、輸送時に箱の中で暴れてぶつけたのか、到着時には顔全体に流血しており、なんとも形容しがたい形相でした。ただし、今では顔もきれいになり、落ち着いています。

 今いるメスよりも一回り大きく、堂々とした体格をもつDJの体重は 140キロを超えています。熊本で繁殖の経験もあるので、今後に期待がもてます。ただし、体格のわりに性格は控えめ。網ごしにキリンや飼育係が近づいてくると、そそくさと離れた場所へ移動……。以前いたオスは少し気性が荒く、飼育係が近づこうものなら向かって来て、角を網に突き刺すほどでした。DJはそれとは対照的です。

 現在、DJを除くと、群れのおとなはメス3頭、子どもはオス3頭、メス1頭です。今後、慣らしながら群れに入れ、繁殖をめざします。美しく、りっぱであっただろうDJの角を、まだ見ぬ子どもたちに託して。

〔多摩動物公園北園飼育展示係 清水勲〕

(2009年04月10日)



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