昨年50周年を迎えた多摩動物公園ではオランウータンのスカイウォークも注目の的。ただし、寒さが厳しいため、例年より早く2008年12月１日に休止していたのですが、３月20日再開しました。

　今年最初に渡ったのは、メスのチャッピー（36歳）とその子ポピー（オス、８歳）、ミンピー（メス、２歳）です。今年から、従来より30分遅い11時30分をスカイウォークの開始時刻にしました。

　３頭ともすぐにタワーに登り、景色を楽しんでいたようです。その後、ポピーを先頭に移動を開始。ただし、明け方まで雨だったのでロープが滑りやすくなっており、また、ひさしぶりのスカイウォークだったことから、わたり方が慎重です。ミンピーは途中でひとりでわたるところも見られましたが、基本的に母親にしがみついたまま、飛び地まで連れていってもらっていました。

　飛び地に着くと、ポピーは木を活発に上り下りし、木から木へと腕をのばして移り渡っていました。その際、高さ20メートルほどのところで、枝をゆするだけでなく体を一回転させ、その反動で離れた枝に飛び移る行動を目撃しました。初めて見る行動です！　いつもやっていた行動かもしれませんが、木の葉が落ちていたため、観察することができました。すごい運動能力です。

　一方、飛び地についたチャッピー親子は、生えている植物やまだ早い新芽をさっそく食べ始め、その後、すぐに飛び地をあとにしました。

　多摩動物公園の10頭のオランウータンは、この冬は大きな風邪をひくこともなく、元気で春を迎えられそうです。

〔多摩動物公園南園飼育展示係　黒鳥英俊〕

（2009年03月27日）