光る動物といえばなんでしょう? ホタル、ウミホタル、ヤコウチュウなどは有名ですね。とくに、ヘイケボタルやゲンジボタルは、多摩動物公園で飼育をつづけてきました。また、暗闇で光るグローワーム(双翅類の昆虫)の飼育と展示にも力をそそいできました。
このたび、南米からヒカリコメツキが到着。昆虫生態園の夜行性昆虫コーナーで展示を始めました。日本の動物園でヒカリコメツキが発光するすがたを展示するのは初めてです。
ヒカリコメツキはホタルと同じ甲虫のなかまです。アメリカ南部から中南米にかけて分布しています。その光は強く、一説によると40メートル離れても確認できるとか。
南米各地では、夜道を歩くときに足に何匹かをしばりつけ、灯火のかわりにしたそうです。はっきりと光る部分は胸部の背中側にある一対の発光器です。
生物が発光するしくみは、1885年にヒカリコメツキを材料にして初めて解明されました。のちにホタルでも確認された「ルシフェリン・ルシフェラーゼ反応」というヤツです。
ヒカリコメツキはその名のとおり、コメツキムシのなかまです。ですから、あおむけにして置いておくと、飛びはねるようにして起きあがります。
(2004年04月02日)
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