多摩動物公園のライオンは、ライオンバスの運行が終了する16時10分ごろ、ライオン舎にある自分の部屋に帰ってきます。部屋で餌を食べたあと、ゆっくりくつろいで眠りにつきますが、たまに、かわいらしい寝相やおもしろい寝相を見せてくれます。そのいくつかを紹介しましょう。
まず最初は、「仰向けに寝るライオン」です。部屋の中でリラックスしているためか、多くの個体が足を曲げて、お腹を出した格好で寝るので、見たことがある方もいらっしゃるかもしれません(写真上)。
私は、ライオンは横になって足を伸ばして寝るのが普通だと思っていましたが、仰向けに寝るライオンを初めて見たときは、なんて変な寝かたをするのだろうと思いました。そしてなんてかわいいのだろうと思いました。
つぎに、「抱き合ったように寝るライオン」です。ライオンたちは、寒くなってくると、同じ部屋の個体どうしで身を寄せ合って休みます。体をぴったりとくっつけていたり、背中どうしをくっつけて寝たり、さまざま寝かたをしますが、中にはお互い向き合って前足を伸ばし、まるで抱き合ったように寝るすがたも見られます(写真中)。ふさふさとしたタテガミをもつオスどうしが抱き合っているようすは、とても暖かそうでした。
最後は、4頭が「鯉のぼりのように並んで寝ているところです」(写真下)。まるで家族が川の字になって寝ているようで、見たときには思わず笑ってしまいました。ふだんは思い思いの場所で寝ているのに、この日に限って、4頭ともきちんと並んで寝ていました。なぜ並んで寝ていたのかはわかりませんが、とても気持ちよさそうに寝ていました。
今回紹介した以外にも、腕枕をして寝たり、部屋の段差を枕代わりにしたりと、いろいろな寝相を見せてくれます。ライオンは夜だけでなく昼も寝る動物なので、みなさんも動物園にいらっしゃったときには、どんな格好で寝ているか、探してみてはいかがでしょうか。
写真上:足を曲げ、お腹を出して寝る
写真中:抱き合って(?)寝る
写真下:「鯉のぼり」のように並んで寝る
〔多摩動物公園北園飼育展示係 清水泰輔〕
(2008年09月26日)
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