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在来馬の運動場が広くなりました!
 └─2008/08/15

 上野動物園の子ども動物園には現在3頭の在来馬──木曽馬の「幸泉」(さちいずみ)、トカラ馬の「琥太郎」(こたろう)、そして野間馬の「えりか」がいます。ところが、ここ最近の暑さのせいか、毎日イライラしたようすです。

 琥太郎がえりかにちょっかいを出し、それを見た幸泉が琥太郎にやめるよううながします。まだ子どもの琥太郎は、遊び半分でえりかにじゃれついているつもりなのですが……。また、ときどき虫のいどころの悪い幸泉が、何もしていないえりかにちょっかいを出すこともあります。

 こうした行動は、運動場が狭いために生じる必要以上の接触が原因のひとつでは?と考え、運動場を拡張しました。当初の運動場のすぐ横にスペースがあったため、そこを存分に使い、少々細長いのですが、両運動場をつなげればかなりの広さになります。

 工事着工は2008年7月9日。今回も業者には頼まず、職員の手作りです。しかし、子ども動物園の職員だけでは人手が足りず、上野動物園全職員に協力を求めました。

 この暑い中、滝のような汗を流しながら、在来馬のために、みんなで頑張りました。蚊に刺され、蜂に刺され、慣れない杭打ちで手を傷めたこともありました。そして工事が完了したのは7月22日。14日を要しました。

 さっそく、二つの運動場の境を開けたところ、3頭とも初めはまったく気づかず、そのまま数分が過ぎましたが、少しすると幸泉が新運動場に入り、続いてえりかが入りました。残っているのは、いちばん臆病な琥太郎です。

 琥太郎は境目まで来るのですが、引きつった顔で匂いを嗅ぎ、あとずさりしては元の方向に戻る……を繰り返していました。しかし、飼育担当者が新運動場の方に入ってしまうと、琥太郎は「もお~……、ええい!」といわんばかりに、あわてて駆け込んできました。ところが、いったん新運動場に入ってしまうと、なんということはなく、あたりを散策し始めました。

 その後、新運動場の端まで来た3頭が突然、旧運動場めがけて全力で走り出しました。旧運動場の端まで行くとUターン、全力で戻ってきます。そんなことを数分続けていました。こちらはあまりの全力疾走に、柵に激突するのではとかなり冷や冷やしました。とはいえ、3頭がこんなに走り回っているすがたを初めて見たので、大変な思いをして作った甲斐があったなと、あらためて感じました。

 新運動場完成から早2週間が経ちました。餌を食べ終わると3頭そろって新運動場に行き、おのおののお気に入りの場所に落ち着きます。以前は部屋に戻る時間の30分くらい前から運動場の出入口付近をうろうろしていたのですが、今ではなかなか帰ってこず、運動場内に迎えに行かなければなりません。それだけ気に入っているということですね。

 馬どうしのトラブルも、以前に比べれば少なくなってはいますが、ときどきやりあっています。こんなに広いんだから離れて行動すればいいのに、と思ってしまいますが、これが馬の群れの習性なのですね。

 新運動場は奥行きが大変狭く、馬たちが間近でごらんいただけるため好評です。新しくなった運動場でのびのびしている馬たちを、見にいらっしゃいませんか?

写真上:新運動場の端にあつまった3頭
写真下:旧運動場から新運動場に入ってくる野間馬の「えりか」

〔上野動物園子ども動物園係 橋川真弓〕

(2008年08月15日)



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