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落ち葉大好き、子ども動物園のヤギたち
 └─2007/12/07

 上野動物園の子ども動物園の「なかよし広場」も、紅葉の季節を迎えました。ヤギたちにとって、うれしい季節なのです。なぜかというと、食いしん坊のヤギたちは落ち葉も大好き。朝、ヤギたちを広場に出すと、いつもなら広場に置いた青草や乾草に向かって真っ先に飛んでいくのですが、落ち葉の季節になると餌には目もくれず、落ち葉を食べようと広場中を歩きまわります。新鮮な青草の方がおいしいように思えるのですが、ヤギにとってはそうではないようです。

 広場に用意された餌と落ち葉をひととおり食べ終えると、ヤギたちは広場の奥で休むのですが、木枯らしがピューとふくと、いっせいに歩き出し、広場をウロウロ。広場の出入口の近くにも落ち葉を食べに来るので、ゲートの開閉をしているボランティアさんは、ヤギが外に出てしまわないかハラハラしています……。ときには、ヤギどうしで落ち葉の取り合いをし、頭突きのケンカが始まるほどです。

 そんな食欲旺盛なヤギたちですが、この季節、メスヤギの食欲がなくなってしまうことがあります。秋はヤギの恋の季節でもあるのです。メスヤギの発情は一年のうちでもとくに秋に多くきます。しかし、発情期間はわずか約2日間。発情したメスは、朝広場に出すと、餌より先にオスヤギ(名前はゴハン)のいるケージのそばにやってきて、小さな尾を振りながらアピールします。それにこたえて、ゴハンもいつもとは違う鳴き声を出します。ときにはケージに頭突きを繰り返し、ケージが歪んでしまうほど……。

 とはいえ、メスの発情は2日間で終わってしまうため、ゴハンのそばには日替わりでメスヤギがやってくるのです。発情の期間は食欲が落ちるせいか、太り気味のヤギも少しスリムになりました。いつもより活発なヤギたちに、ぜひ会いに来てください!

〔上野動物園子ども動物園係 高橋美紀〕

写真上:落ち葉を食べるヤギたち
写真中:紅葉のヤギ山と落ち葉を食べるヤギ
写真下:ゴハンくん(オス)にアピールするメスヤギ

(2007年12月7日)



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