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新ゾウ舎ができました! まもなく引っ越し──5/16
 上野動物園では、昨年(2002年)からゾウ舎の新設工事をおこなってきました。来園者のみなさんに
はご迷惑をおかけしました。

 このたびゾウ舎が完成し、5月20日(火)の午後3時からゾウたちの引っ越しをします。



 完成したゾウ舎は地上2階、地下1階で、ゾウの寝室が5室、予備飼育室が1室です。屋上には太陽光による発電設備をそなえ、雨水等を再利用するしくみもととのえました。

 旧ゾウ舎は1968年にできましたが、老朽化がすすんでいました。新ゾウ舎が完成しましたので、まもなく旧ゾウ舎をとりこわし、放飼場とプールを整備します。全体が完成するのは来年(2004年)の予定です。



 現在、放飼場の一部はできており、ゾウたちを慣らしているところです。体重計も設置し、体重データを管理するシステムもそなわっています。

 オスとメスをへだてるゲートは開閉できるようになっていますが、メス側は縦軸を中心にスイングするゲート(押して開けるドアのような動き)、オスの方は上下に開け閉めするゲートになっています。アジアゾウのオスが力を加えると、スイングするゲートの場合、壊してしまう可能性があるためです。このスペースで、オスとメスのお見合いもできるようになっています。



 室内は非常に広く、外光が入るので、明るい雰囲気! 天井は高いところにあり、窓の開け閉め等は遠隔操作が可能です。天井には、場合によってはゾウを「吊るして」あつかうための金属製の輪がついています(高~いところにあるので、前段階の作業もたいへんそうですが……)。

 各部屋にはモニターがあり、天井から照らす暖房にくわえて床暖房も! 2階にのぼると、ゾウたちの寝室がよく見えます。冷風を吐き出すダクトもありました。



 屋上には太陽発電のための大きなソーラーパネルがあるのですが、そこからなんと、サル山を見おろすことになります。新ゾウ舎の屋上はサル山の頂上より高く、上からのぞいてみたら、ニホンザルは不満げな顔(?)。ふだん屋上に人がやってくることはありませんが、見られると「なに見下ろしてんだよー、オラ」って気分でしょうか。



 新ゾウ舎のまわりには、ゾウやゾウ舎に関する解説パネルを設置。旧ゾウ舎では、室内に入ると、ゾウの寝室と同じ空間に入る構造になっていましたが、新ゾウ舎では、窓をへだてて、屋外からゾウの寝室を見ることになります。

 ゆったりとした飼育環境を準備したこと、また予備飼育室をもうけ、他園からのゾウを受け入れる態勢をととのえたことで、アジアゾウの繁殖をめざしています。



写真は上から、

・完成した新ゾウ舎

・放飼場に設けた体重計(奥が旧ゾウ舎)

・放飼場での訓練(旧ゾウ舎からの撮影。ゾウの向こう

  にある四角いスペースが体重測定装置)

・寝室が並ぶ新ゾウ舎内の廊下。明るい!

・ゾウの寝室から観覧スペースを見たところ

 (ゾウから見た外の景色、ということです!)

・屋上から見たサル山、です。

(2003.5.16)



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