上野動物園では、1949年から夏休み期間におこなってきた「サマースクール」の歴史を引継ぎ、じっくり動物を観察しながら動物の体やくらしについて学ぶ体験型の教室
「うえのZOOスクール」を開催しています。ZOOスクールは、子どもたちの成長によって変わる興味と理解度に合わせて年齢別に複数のコースに分かれています。
今年度は、5月に小学1、2年生を対象にした
「ホネ・ホネ 探検隊」コース、7~8月に小学3、4年生を対象にした
「自分だけの『おもしろ動物図鑑』をつくろう」コース、そして9月に小学5、6年生を対象にした
「飼育係のお仕事発見」コースを実施し、さらに中学生を対象にしたコースを準備しています(今後お知らせ、募集予定)。
このうち「飼育係のお仕事発見」コースは、2019年以来5年ぶりに実施しましたので、今回はそのようすを報告します。
午前中は「飼育係のお仕事体験」をおこないました。子どもたちはふだんは入れない動物園の裏側に入って飼育体験をします。体験したのは掃除、えさの準備、動物の観察など、動物を飼育するための作業全般です。アジアゾウの部屋を掃除したり、スマトラトラのえさを用意したり、健康チェックのために動物たちを観察したりと、さまざまな経験をしながら飼育係の仕事について具体的に学んでいきます。
いろいろなものやにおいに囲まれながら、子どもたちは五感をフル活用して飼育係の仕事を体験しました。
飼育体験のようす
お弁当を食べたあとは、体験の成果をまとめました。
まず、「掃除」「えさ」「その他」の3種類の作業を振り返って、それぞれを「ミッションシート」にまとめます。まとめる際に役立つのが、「アイテムカード」です。体験で使用した道具や材料などがカードになっており、シートに張り付けて午前中の作業を整理していきます。
次に「まとめシート」に、体験してわかった飼育係の仕事の内容と必要なスキル、これから育てていきたいスキルを書いてまとめ、午前中の体験から未来の自分のイメージを作りました。
体験をまとめるようす
最後はいっしょに参加したなかまと保護者の前で、まとめシートの内容をもとに一日の体験を発表し、動物園の飼育係のさまざまな仕事内容について共有しました。
「うえのZOOスクール」は、本物の動物たちを教材に、子どもたちが自らの好奇心、考える力をフル活用して取り組むことで、科学的な視点で深く動物を理解できるようなることを目指して開催しています。動物をこまかく観察したり、比較したりしながら自分で考える体験は、日々の生活のさまざまな場面でもきっと役に立つことでしょう。
「うえのZOOスクール」はこれからも毎年実施していきます。動物に興味がある子、科学に関心のある子、写真を見て気になった子、さまざまな子どもたちのご応募をお待ちしています。
※中学生のクラスは今後開催予定です。皆さんのご参加をお待ちしています。
◎子どもたちが作成したミッションシート、まとめシートはこちら
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ミッションシート
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まとめシート
〔上野動物園教育普及係〕
(2024年10月18日)