上野動物園では9月19日に、この1年間に死んだ動物へ感謝の気持ちを表す
「動物慰霊祭」を、園長を始めとした園職員により開催しました。
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上野動物園 園長による献花 | 職員黙祷 |
現在、上野動物園では約300種3000点の動物を飼育しています。スマトラトラの3きょうだい、マヌルネコの子どもたち、ベニイロフラミンゴなど、新しく生まれ育っていく動物たちの話題で園内がにぎわう一方で、飼育係や獣医師が手を尽くしても命を落としてしまう動物がいます。
昨年(2023年)9月から今年8月までの1年間に、137種664個体(昆虫などの無脊椎動物も含みます)の動物たちが死亡しました。
本日の動物慰霊祭では、それら死亡した動物たち1頭1頭について、ともにすごした日々とその命の輝きに思いを馳せ、また飼育を通して教わったことへの感謝を表すひとときを持つことができました。野生動物を飼育するうえでは、種の保存と同様に、動物たちの健康を管理していくことはもちろんのこと、高い水準のアニマルウェルフェア(動物福祉)の達成に向けて積極的に取り組む必要があります。寂しく残念な気持ちもありますが、得られた多くの知見を今後の種の保存と飼育環境の向上に活かしていくことを、職員一同、改めて心に誓いました。
慰霊動物の代表として、カリフォルニアアシカの「カコ」やフォッサの「ベザ」など、7頭の動物たちを東園・動物慰霊碑横のパネルとウェブ上で紹介します。みなさまにおかれましても、それぞれ思い出深い動物たちを偲んでいただければ幸いです。
2023年10月22日に死亡した カリフォルニアアシカの「カコ」(2022年5月24日撮影)
〔上野動物園園長 福田豊〕
(2024年09月20日)