上野動物園では、毎年動物愛護週間(9月20日から9月26日まで)にあわせてこの1年間に死んだ動物へ感謝の気持ちを表す
「動物慰霊祭」をおこなってきました。今年も園職員のみで、9月28日に動物慰霊祭を実施いたしました。
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園長による献花 | 上野動物園職員による黙祷 |
(2023年9月28日撮影)
現在、当園では約300種3000点の動物を飼育しています。多くの動物を飼育しているなか、今年はスマトラトラの「アサ」やアイアイの赤ちゃんといったように新たな命が次々に芽吹く一方で、飼育係や獣医師が手を尽くしても命を落としてしまう動物もたくさんいます。
このように生も死も存在し、1頭の動物の生まれてから死亡するまでの一生を目の当たりにできるのが動物園という施設です。
しかし私たち動物園の職員は、生きている動物だけを見て終わりというわけではありません。動物たちが、生前はもちろん、死後まで残してくれた情報を活用し、よりよい飼育方法や飼育環境を追求していくこともまた、非常に大切なことです。
動物慰霊祭に際し、死亡した動物たちに感謝と敬意の念を示すとともに、彼らから得た知見を糧にさらなる飼育環境の向上と種の保存に取り組んでいくことを改めて決意し、励んでいこうと考えております。
昨年(2022年)9月から今年8月までの1年間に、121種713個体(この数には昆虫などの無脊椎動物も含みます)の動物たちが死亡しました。その中から慰霊動物の代表として9頭の動物たちをウェブ上で紹介します。みなさまにおかれましても、それぞれ思い出深い動物たちを偲んでいただければ幸いです。
2023年7月8日に死亡したオカピのトト(2022年8月29日撮影)
(2023年09月29日)