上野動物園は、
公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(以下「WWFジャパン」がおこなう「野生動物のペット利用に潜む絶滅・密猟や密輸・感染症・動物福祉・外来種の5つのリスクの認知を高め、野生動物“ペット化”の見直しを訴えるキャンペーンに協力しています(キャンペーンサイトは
こちら)。
キャンペーンの第1弾は、動画コンテンツ「飼育員さんだけが知ってる あのペットのウラのカオ」です。上野動物園では、飼育係にしか撮影できないコツメカワウソの映像を交えながら生態について紹介し、コメントしています。
コツメカワウソの食事風景
(写真提供:WWFジャパン)
さらに第2弾として、「#ペットにしても幸せにできない動物」をつけてツイッターに投稿してくれた方を、野生動物を守る「応援団員」として認定。特典もプレゼントしています。
このキャンペーンに関連し、上野動物園内で10月4日から7日まで「
飼育員さんだけが知ってるコツメカワウソのウラのカオ@上野動物園」を実施しました。
このイベントのようすを
東京ズーネットYouTubeチャンネルで公開しています。あまり知られていないコツメカワウソの本来の姿を知ってもらい、ペットには向かないことを強く訴えています。ぜひご覧ください。
【動画】飼育員さんだけが知ってるコツメカワウソのウラのカオ@上野動物園
日本は世界有数の野生動物ペット市場となっています。WWFジャパンが2021年にペット利用に関する意識調査を1,000人に実施したところ、そのうちの17%が主に外国産の動物や野生由来の動物を飼ってみたいと回答しました。一方で、こうした動物の利用にともなうリスクについてよく知らない人が68%におよぶことがわかっています。
【参考】
・
エキゾチックペットに関する日本の意識調査(WWF ジャパン、2021)
鶏頭を食べるコツメカワウソ
SNSなどでコツメカワウソの「かわいらしさ」だけを切り取った情報があふれているため、簡単にペットにできるという誤解が多くの人々に生まれています。
しかし、コツメカワウソ本来の姿を知ると、ペットには向かないことがよくわかります。コツメカワウソはどれだけ人に慣れているように見えても、何万年も前から人と接してきたイヌやネコとは違います。さらにペットとして飼育している野生動物の動画がSNSに投稿されることによって、さらなる密猟や密輸を増やす危険があります。
飼育員さんだけが知ってる あのペットのウラのカオ
(写真提供:WWFジャパン)
「カワウソが好き」という大切な気持ちを、野生動物のことを考えながら持ち続けてください。そして、本当にカワウソを愛している方はぜひハッシュタグ「#ペットにしても幸せにできない動物」を広げてください。あなたの投稿は野生動物をペットにしようとする誰かの意識を変えることにつながります。
(2022年12月13日)