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ニシゴリラの近況について
 └─ 2022/10/07
 前回の記事で、「モモコ」の貧血が回復したため群れに合流させたことをお知らせしました。その後も、モモコや群れに特段の問題はなく落ち着いています。

 治療のためモモコを室内に隔離していた期間は、モモコと群れのゴリラを隣り合った室内で対面しやすくするため、群れを第2放飼場で展示していました。モモコの群れへの合流から約1ヵ月が経ち、今後もこの状態を継続することが濃厚となりましたので、10月4日からはモモコを含む群れを第1放飼場で展示することにしました。

 モモコを室内に隔離する以前も群れは第1放飼場を使用していたため、特にトラブルもなく新しい環境に順応しています。第1放飼場は環境が多様で暖房設備も整っているので、これからの季節もゴリラが快適にすごすことができると考えています。

※えさの時間や、管理上の理由により一時的に第2放飼場で展示する場合もあります。また、モモコは投薬を続けながらの管理となります。体調や状況しだいでは非公開になる場合もあります。

「スモモ」の近況と群れへの復帰プロセス

 人工哺育で飼育管理中の「スモモ」ですが、生後4ヵ月を迎えた9月30日には、体重が4,255gになりました。成長とともにさまざまな行動を発達させ、少しずつ自分の行きたいところに向かって歩くことや、方向転換ができるようになってきています。

 また、人工哺育開始直後から、国内外での事例を参考に施設や群れの状況を考慮し、スモモの群れへの復帰計画を検討してきました。まずは、目的の場所に移動できるようになったスモモの成長に合わせ、スモモを格子に近寄らせて、格子越しにミルクを飲ませるという練習を始めました。スモモを群れに戻したあとは、哺乳のために隔離することは困難になります。そこで、群れへの復帰後にも哺乳を確実におこなうための訓練です。


【動画】「スモモ」への哺乳訓練のようす

 これが十分にできるようになったあとは、「スモモの世話をするゴリラ」を選び、スモモと2頭ですごす時間を徐々に長くしていく予定です。最終的には、このペアがほかのゴリラと接触する機会を増やしていきながら、群れへの復帰を促していきます。この「スモモの世話をするゴリラ」に関しては、まず実母であるモモコに戻すことを第一に考えていますが、状況によってはほかの個体となる可能性もあります。群れ・子にとっていちばんいい選択をしていきます。

 上記のプロセスはあくまで予定であり、今後、スモモの成長状況や群れのようすなどから変更する可能性があります。群れの状況やスモモの近況は、これからも随時お知らせしますので、あたたかい目で見守っていただけましたら幸いです。


ニシゴリラ「スモモ」
(撮影日:2022年10月6日)

(2022年10月07日)
(2022年10月11日:動画を追加)



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