モモコの近況
お知らせしているとおり、ニシゴリラの「モモコ」は検査の結果、重度の貧血であることが判明しています。免疫力が低下している可能性があることから、6月10日からは群れから分け、治療に集中してまいりました。
7月25日に再検査をおこなったところ、貧血が大きく改善していることを確認いたしました。ほかの血液検査結果もおおむね良好で、体重も前回の検査時(6月2日)から約10kg増加して、93kgであることが確認できました。すべての検査結果が出揃ってからの判断になりますが、投薬治療を続けながら群れに合流させることを検討しています。
ただし、モモコに子どもを戻すことに関しては、モモコや群れ、子どもの状態などを見て、慎重に判断したいと考えています。
ニシゴリラ「モモコ」
モモコの子どもの近況
5月31日に生まれた子どもは、7月29日現在、体重3,170gとなり、測定初回の生後2日(※)の体重から1,450g増えました。1日に与えるミルクの量も、人工哺育開始時の300ml程度から550ml程度まで増えています。この体重増加量は、他園の人工哺育個体の記録と同様の傾向を示しており、順調な生育であると判断しています。
ゴリラの子どもは2ヵ月くらいから前歯から生え始めますが、人工哺育中の子どもも7月25日に下の前歯が生え始めていることが確認されました。今後、ミルクとともに少しずつ固形物にも慣らしていく予定です。
また、群れに戻すときに備え、モモコやほかのゴリラとの対面も定期的に実施しています。
(※)
前回の近況でお示しした初回測定日を間違えていましたので訂正します。
【動画】音声はありません
群れのゴリラの近況
オスの「ハオコ」にとってはモモコの近くにいることが重要なようで、治療のためにモモコを分けた当初は落ち着かないようすが見られていました。6月12日からはハオコほか、群れのゴリラとモモコを隣室にすることで24時間いつでも姿を見ることができるようにしました。当初に比べれば落ち着いていることが増えていますが、現在もハオコが不安そうにすることも時々見られますので、その都度、部屋を変えたり、死角を取り除いたりなどの工夫をして、不安を取り除くように試行錯誤しています。
6月10日以降、モモコは原則として非公開としていますが、状況によっては放飼場に出ることもあります。なお、モモコが放飼場に出る日時をあらかじめお知らせすることはできませんので、ご了承ください。
モモコや子どもを群れに戻すための準備は今後も継続していきます。モモコの体調次第では計画に変更が生じる可能性もありますが、見守っていただければ幸いです。
(2022年08月01日)