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アジアゾウの「アルン」、1歳になりました―当日の写真と動画を追加しました
 └─ 2021/10/26(10/31更新)
1.飼育係からのメッセージ
 2020年10月31日にアジアゾウのオスの子「アルン」が生まれて、1年になりました。

 私たち飼育係にとって、この1年間は上野動物園として初めての子ゾウの飼育に奮闘する毎日で、あっという間だったように感じます。

 振り返ると、アルンが無事に誕生したあと大きな分かれ道になったのは、母親「ウタイ」がアルンを受け入れてくれたことでした。私たちも最大限のサポートをしましたが、やはりウタイ自身が母性を発揮してくれたことが、現在のアルンのすこやかな成長につながっています。

 時々、ウタイがアルンに対してとる行動は、私たちからみると一見、乱暴に見えることもあります。しかし、これは野生動物であるアジアゾウが生きていくために必要なことを伝える、教育的な意味合いがあるのではと考えています。

 一方で、何かに警戒したり、地震などで危険を察知したりしたときには、ウタイのあごの下に潜り込んだアルンを守るような行動が見られます。母子のつながりはますます強くなっていますので、ウタイにとって初めての子育てをあたたかい目で見守っていただければ幸いです。

 2021年3月に「ダヤー」が死亡し、精神的に不安定になった「スーリヤ」にとってもウタイ母子といっしょの方がよいと考え、同居を試みました。しかし、小さな体ですばやく走り回るアルンにスーリヤが驚いてしまうことがあり、現在は放飼場を分けています。今後は動物のようすをみながら時間をかけて馴致をおこない、いずれは3頭いっしょに放飼できるようにしたいと考えています。

 生まれたときに120.5kgだったアルンの体重は先日、500kgになりました。体重は1日に約1kgのペースで増えており、すくすくと育っています。ウタイからの母乳のほかに、青草やタケの葉、根菜や果物も食べるようになってきたので、これからさらに体が大きくなっていくでしょう。

 今後、成長にともなって足や爪の手入れ、採血による健康チェックなどが必要になるため、アルンにも柵越しに健康管理ができるようにトレーニングをしていく予定です。

 大きくなったとはいえ、まだまだ赤ちゃんゾウです。体調管理に細心の注意を払いながら、アルンの成長をサポートしていきたいと思います。

〔上野動物園東園飼育展示係〕


【動画】アルン、体重500kgに
(撮影日:2021年10月26日)

2.動画で振り返るアルンの成長
 1年間にわたり、上野動物園公式サイトでさまざまなようすを紹介してきたアルン。特に成長を感じることができる動画をまとめてご紹介します。


【動画】アジアゾウ「ウタイ」の出産


【動画】アジアゾウ「アルン」の誕生


【動画】アルン初授乳のようす


【動画】「アルン」はじめて屋外放飼場へ!
(撮影日:2021年1月26日)


【動画】アルン、屋外放飼場でスーリヤと同居の練習
(撮影日:2021年3月15日)


【動画】アルン、体重300kgに!
(撮影日:2021年3月30日)


【動画】ある日のアルン──泥遊び編
(撮影日:2021年4月15日)


【動画】ある日のアルン──タケノコ編
(撮影日:2021年4月19日)


【動画】ある日のアルン──タケ遊び編
(撮影日:2021年7月10日)

3.東京動物園ボランティアーズによる特別活動
 東京動物園ボランティアーズとは、上野動物園をはじめとした東京都立動物園で活動するボランティア団体です。園内で動物解説や来園者案内などをおこなっていますが、現在は新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、園内での活動は休止しています。

 今回はボランティアの特別活動のひとつとして、ウェブサイトを通じてアルンの成長を見守ってきたボランティア会員から寄せられたメッセージを紹介します。東園「ゾウのすむ森」でも、動物園からのお知らせとともに展示しています。

※東京動物園ボランティアーズについて、詳しくはこちらのページをご覧ください。


4.誕生日当日のアルンの様子
 元気に誕生日を迎えたアルンの様子を、写真と動画でお届けします。


誕生日を迎えたアルン-ウタイと一緒に-
(撮影日:2021年10月31日)


【動画】アルン1歳の誕生日
(撮影日:2021年10月31日)

(2021年10月26日)
(2021年10月31日:タイトル・一部文章を修正・「4.誕生日当日のアルンの様子」追記)



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