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動物慰霊祭に際して
 └─ 2021/09/23
 毎年秋分の日に合わせて、この1年間に死亡した動物たちへ感謝の気持ちを表す「動物慰霊祭」をおこなっています。


上野動物園職員による動物慰霊祭のようす

 上野動物園では現在、約300種3,000個体の動物を飼育しています。たくさんの動物を飼育しているなかで、誕生する動物がいる一方で死んでいく動物もいます。誕生から成長し、そして死ぬまでの一生を観察できるのは動物園ならではです。動物園の動物たちは、一生を通して私たちに多くのことを伝えてくれます。彼らはにおいや鳴き声、他の個体とのコミュニケーションなどさまざまな方法で野生動物の魅力を発し続けています。

 希少動物の繁殖という大きな役割を果たし、野生動物種の保全に貢献した動物もたくさんいます。彼らの存在があったからこそ、上野動物園は多様な種を長きにわたって飼育し、技術を蓄積し、現在、さまざまな保全活動に貢献できるようになりました。飼育動物の命は野生動物の未来へ、そして私たち人類の未来にもつながっています。

 今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、上野動物園職員のみで慰霊祭と献花をおこないました。

 私たちは、死亡した動物たちへ感謝の気持ちを表するとともに、動物園で飼育する動物たちの生活の質の向上や福祉、さらには野生動物の保全に引き続き取り組んでいきます。

 昨年(2020年)9月から今年8月までの1年間に死亡した動物146種690個体(この数には昆虫などの無脊椎動物も含みます)のなかから、おもな慰霊動物としてアジアゾウの「ダヤー」やコビトカバの「昭平」など、11個体の動物をウェブ上で紹介します。みなさまもご自宅で生前の動物たちを思い出して偲んでいただければ幸いです。

 恩賜上野動物園
 園長 福田 豊


(2021年09月23日)



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