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2021年09月18日は「国際レッサーパンダの日」です
 └─ 2021/09/18
 毎年9月第3土曜日は、「国際レッサーパンダの日(International Red Panda Day)」 です。

 国際レッサーパンダの日とは、アメリカ合衆国を拠点にレッサーパンダの保全活動をおこなっている団体「Red Penda Network」(略称RPN)がレッサーパンダの魅力や野生での現状をより多くの方に知っていただくための日として定めたもので、世界中の動物園などで普及啓発活動がおこなわれています。

(引用:RPN)

生息地など

 レッサーパンダは、野生ではブータン・中国・ミャンマー・インド・ネパールなどの標高の高い1,500~4,000mの山林に生息し、特に冬は雪の降り積もる厳しい環境で生活しています。

 主食はタケの葉ですが、野生では果実や昆虫などいろいろなものを食べています。そこで上野動物園でもタケの葉だけでなく、補助食としてリンゴやリーフイーターペレット(葉食いサル用の固形飼料)を与えています。

リンゴを食べる当園のレッサーパンダたち
カリン
(メス、2012.7/28 周南市徳山動物園生まれ)
(撮影日:2021年8月30日)
ルカ
(メス、2016.6/15みさき公園生まれ、カリンの子)
(撮影日:2021年7月26日)

レッサーパンダの現状

 レッサーパンダは野生ではこの20年で半分以下に減少し、約2,500頭しか生息していないと言われています。

 減少要因として、家畜を飼うための森林伐採により生息環境が分断されて食物を得られる竹林の維持が難しくなったこと、人が飼うイヌによりジステンバーウイルスなどの病気が持ち込まれたこと、ほかにも地球規模の気候変動が影響していると言われています。

 このままだとレッサーパンダは近い将来、絶滅してしまうおそれがあるため、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストでは絶滅危惧ⅠB類に指定されています。

レッサーパンダを守る取組みー「生息域内保全」と「生息域外保全」ー

 レッサーパンダの生息地では、現地政府とRPNなどが協力して生息調査などをおこなってきました。ほかにも、植林による生息地の再生や、密猟により生計を立てる地域住民に対してそれ以外での収入を得る方法や教育の提供をおこなうなど、レッサーパンダの生息数を回復させるためにさまざまな「生息域内保全」の取組みがおこなわれています。

 また、レッサーパンダにはGSMP(Global Species Management Plan)という国際的な管理計画があります。この計画を基に(公社)日本動物園水族館協会が国内のレッサーパンダの管理計画を策定し、動物園どうしが協力して飼育下個体数や遺伝的多様性を保つよう努めているほか、レッサーパンダの魅力や野生での現状などを広く周知する教育普及活動をおこなうことで、「生息域外保全」に取り組んでいます。

 上野動物園のレッサーパンダたちは「パンダのもり」のエリアで展示しています。パンダのもりのようすは、都立動物園・水族館のウェブコンテンツ「東京Zoovie」でご覧ください。

 当園では、ジャイアントパンダとの比較展示やSNSを活用した情報発信など、さまざまな方法で教育普及活動に取り組んでいます。国際レッサーパンダの日をきっかけに、レッサーパンダに興味をもってくださる方が増えたらうれしいです。

 より詳しくレッサーパンダの現状や保護活動などについて知りたい方は、ぜひRPNのウェブサイト(英語)にアクセスしてみてください。

〔上野動物園西園飼育展示係〕

(2021年09月18日)




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